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Storybook

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ライオンとネズミ

イソップ

大きなライオンがバオバブの木かげでねむっていたとき、ほおにたねをふくんで家へいそぐ小さなネズミが、ちょうどそのはなのうえをかけぬけました。

ライオンはほえながら目をさまし、大きな前あしをそのしっぽのうえにおきました。「ぼくをおこしたから、いまおまえを食べてやろう」とうなりました。

ネズミはふるえてチューチュー鳴きました。「どうかおねがいです、ライオンさま、わたしを食べないでください!わたしはほんの小さなものですから、おなかのすみっこにもなりません。ゆるしてくださったら、いつかきっとお手つだいできるかもしれません。」

ライオンは前あしをあげました。あんまりおおきな声で笑ったので、上のはっぱがゆれました。「おまえが?ぼくをたすける?なんと小さな、おろかな生きものだろう。さあ行け。そのかんがえに気がはれた。」

ネズミはおじぎをして、じぶんのあなへかけもどり、ライオンが気をかえるまえにすがたを消しました。

何日もたちました。ある朝、ライオンはふかい森へかりに出かけ、かりゅうどたちが木のあいだにはった重いあみに気づきませんでした。なわはライオンをしめつけました。ほえてもがいても、もがけばもがくほどあみはきつくなりました。とうとうライオンは、はあはあいきをして、じっとよこたわり、そのほえる声は森じゅうにひびきました。

とおくで、小さなネズミが聞きつけました。じぶんのしっぽから上がった大きな前あしを思いだし、その音のほうへ走りました。

ライオンのところへつくと、たてがみからしっぽまでぐるぐるしばられているのを見つけました。こわがるためにとまったりしません。なわにのぼり、するどい歯で休まず、かみ切りはじめました。ひとすじ、ふたすじ、みすじとかみ切りました。何時間も何時間もはたらいて、とうとうあみがひらき、ライオンはじゆうになりました。

ライオンはたちあがり、けがわのほこりをふるい落としました。あしもとの小さな生きものを見おろしたとき、その目はやさしくなっていました。

「小さなネズミ」と、ライオンは言いました。「ぼくはおまえを笑った。まちがっていた。小さな友だちでも、大きな王さまをすくえるのだとわかったよ。」

ネズミはほほえみ、お日さまがのぼるなか、ふたりはいっしょに森のはしまであるいて行きました。

しんせつは、どんなに小さくても、けっしてむだにはなりません。

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